
運動による健康づくりは、運動の種目、強さ、時間、頻度という内容の組み合わせを、各自の健康づくりの目的にかなうように決めることです。温泉地で手軽にできる運動には、温泉や温水のプールを利用した水中運動、自然環境の中でのウォーキングなどがあげられます。
水中ウォーキングは、浮力、抵抗、水圧など水のさまざまな特徴を利用することです。例えば、浮力は運動中の体重(重力)の負担を軽くするので、関節痛、筋力が低下している場合の歩行訓練に適しています。水の抵抗は足の筋力増強に、水圧は静脈血の還流を増加させ、心拍数を減少させるので、健康づくりに有効です。また、水圧と水流の相互作用によって、運動している身体の部分が陸上の時より意識されるので、脳神経系を刺激した諸機能の維持・回復にも期待できます。さらに、水中ウォーキングは無理なく安全に継続してできるので、特に高齢者に適した運動です。
平地のウォーキングでは、ふだんより早めのはや足で歩くこと。息がやや弾み、汗ばむ程度で立ち止まり、10秒間の心拍数が20拍程度の運動が目安です。このようなウォーキングを合計約30分行います。この場合、ウォーキングによるエネルギー消費量は、120~130kcalとなります。
運動は近年、研究によって低レベルの運動、つまりウォーキングでもHDLコレステロール(*)を増加させることが明らかになりました。運動時間と頻度を十分に確保すれば、体重や体脂肪も減少させることもできます。安全で効果的な運動には、心拍数が中高年者では100~110拍/分、青年では110~120拍/分程度の低強度の歩行を1日に30分程度、週に3~4回以上続けることが必要です。そのほかゴルフやテニス、水泳なども実践したい種目です。ただし、運動をするのは、食事の1~2時間後。極度の空腹時や食事直後は避けましょう。
(*)HDLコレステロールは、一般に善玉コレステロールと呼ばれ、血管の壁などに付着する余分なコレステロールの値を下げる働きのあるコレステロールです。
ウォーキングはまた、自然・文化環境の中で実施することでも効果的です。五感を刺激し、ストレスの解消や心身のリフレッシュなどの効用がある「環境療法」との組み合わせによって、健康づくりをより効果的なものになります。ウォーキングと環境療法(海洋浴、森林浴、田園浴など)を組み合わせた健康づくりプログラムを積極的に取り入れることが大事です。
環境療法を組み合わせるウォーキングでは、歩行速度はゆるやかになり、時には立ち止まりもあります。
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