監修:植田進一朗/ダイナメディカル根津クリニック医師
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日本の原風景ともいえる田園の豊かな自然環境の中で、大気浴(空気浴)や日光浴を行ってからだに刺激を与え、自然治癒力や体力を高めることができます。また、いつもの生活とは異なる空間に自分(心身)を置くことで、ストレスから解放されます。
自然環境の中で育ち、生活してきた私たちは、自然の要素である空気、日光、水を適度に浴びることにより、生体防御機構である中枢神経系、自律神経系、内分泌系、免疫系が調整され、自然治癒能力を高めることができます。
このように、田園環境の中で空気・日光を浴びながら、五感を刺激するレクリエーション、リラクセーションなどを行って健康増進することを「田園浴」と呼んでいます。
温泉療養学的に自然環境を分けると、高山・高原の環境、海洋環境、森林内環境、田園(平地)環境となります。
ここでは田園環境について解説します。
空気の要素は、温度、湿度、気流、気圧、イオンなどです。一般に、大気に肌をさらすと、体温調節機能、呼吸機能、皮膚の機能などが高められ、また皮下末梢血管の鍛錬によって心機能が高まり、エネルギー消費量(酸素摂取量)が増し、新陳代謝が活発になります。
軽装でも暑くも寒くも感じない、エネルギー消費量が最小となる温度を「不感温度」といい、およそ18~20℃です。不感温度のときに空気浴は最も刺激が少なく、この温度より暑かったり寒かったりするほど、刺激は強くなっていきます。
空気中には、浮遊微粒子に帯電した空気イオンが分布しています。滝や急流、噴水などの周辺の空気に含まれるマイナス空気イオンは、副交感神経の働きを促し、催眠、鎮痛、制汗、涼感、食欲増進、血圧降下、脈拍緩徐、呼吸数減少、疲労除去などの作用があります。
太陽光線は、人間にとって最も必要な気候刺激です。そのうち、波長の長い赤外線は身体深く組織内に侵入し、波長の短い紫外線は皮膚と皮下組織に吸収されます。
【紫外線の作用】
ただ、紫外線を浴び過ぎると皮膚がん、皮膚の老化、白内障、偏頭痛などを起こす要因になります。日光浴をする場合、夏(7、8月)は午前8時から午後4時までの直射日光を避け、冬では午前11時から午後2時頃が適当です。
田園浴の基本は歩くことです。歩行運動は、最も少ないエネルギーで心肺機能を高めるので、効率のよい運動といえます。
自分の足で歩き、自然に接し、よく見て、感じて、楽しむことで、ふだんはあまり使わないからだの機能(五感:嗅覚、視覚、聴覚、味覚、触覚)を刺激して心身ともにリフレッシュされ、健康づくりができます。また、その土地の文化的行事などへの参加や体験を通して、人々と交流する楽しみもあります。
以上、
『温泉療養の手帖 第7版 健康づくりを楽しむ本』より引用
一人ひとりの体力増進・体調改善に合った「健康づくりの郷(さと)」を見つけよう!