監修:大城戸道生/筑波大学講師
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山、高原、森などの自然環境にどっぷり浸かると、からだと心の健康の源になります。中でも、さわやかな高原地で自然に囲まれていると、日常生活の疲れが癒され、身も心もリフレッシュされます。高原は、高地・高山に比べて寒暖の差が小さく、気候が穏やかで、からだへの刺激が少なく、保養・休養に適した環境になっています。
高原の温泉地は、爽快な気分にしてくれます。緊張から解放されたいときは、湖畔の温泉地がいいでしょう。眠りの浅い人、寝つきが悪い人には、山岳や渓流に沿った温泉地は不向きです。風や水流の音で睡眠が妨げられるからです。また、スキー、登山、渓流釣りなど趣味に合わせて温泉地を選ぶのもいいでしょう。
激しいスポーツをするときの本格的なストレッチングは必要としませんが、歩く前の準備として、足や腰を中心にストレッチングをしましょう。
普段の歩き方が最も疲れません。自然体で歩くようにします。自然な歩きとは、頭を上げ過ぎず、下げ過ぎず、肩をリラックスさせ、背筋はやや伸ばします。足の歩幅(ストライド)は、平坦地では街と同様に、登りではやや小さめにし、急な登りでは傾斜度に比例して小さく狭くします。
つま先やかかとだけに体重をかけることなく、足全体に体重をかけるようにしましょう。この歩き方は疲れが少なくてすみます。目線は、平坦地では足元と遠方を適宜見るようにし、登りでは数メートル先をみて、足の着地点を予め確認しながら歩きます。
歩く速さは、歩く距離や地形により異なりますが、呼吸が弾まない程度(きつくない~ややきついと感じる)が適度といえます。
下りは登りに比べて息切れはしませんが、歩幅が大きくなりがちで、筋の疲労も出やすくなります。また、転倒などによる外傷を受けやすくなります。膝が「笑う」くらいに疲れると転倒しやすくなります。面倒がらずに、歩幅に気を配りながら、安全に歩きましょう。
基本は、30対10。30分歩いたら、10分の休みをとります。
自然の中での食事は、大きな楽しみです。好きなものを持参し、食べてよいでしょう。ただし、その後の歩きに支障をきたさない程度の量にします。また、消化のよくない物は控えるか、少量にします。水分は適時、こまめに摂りましょう。
日常生活でのトレーニングは、高原の歩きを楽にします。特に、普段の生活での階段の上り・下りの運動は、平坦地での歩きに比べ、高原・山などの坂道での歩きにとって効果が大きいようです。
熱中症は、直射日光あるいは高温・高湿度の環境の下で起きる障害です。症状によって熱射病、熱疲労、熱失神に分けられます。
熱射病は、過熱によって温熱中枢の機能が働かなくなり、体温調節ができなくなった状態です(直射日光の下では日射病といいます)。とにかく体温を下げることが重要です。涼しい木蔭で休み、濡れタオルなどでからだを冷やします。
熱疲労は、多量の発汗による脱水と塩類の消失から、二次的に末梢循環不全をきたした状態です。涼しい所で安静にし、水分と電解質の補給が原則です。点滴ができない場合は、薄い食塩水を飲ませます。市販のスポーツドリンクでもいいでしょう。
(詳しくは「夏の海山、紫外線対策を十分に」(68頁)を参照)
出かける前に、台風など天候の悪化が予想された場合、高原・山に行かないのが最良です。せっかくスケジュールをあけ、費用を捻出したからもったいないと考えて予定を強行すると、失敗するケースが多いようです。
また、雨や風など予想されるトラブルを事前に検討し、普段からその対処法を考えておきましょう。高原では雨具(傘とカッパ類)、帽子、手袋、タオルなどがあれば、冬季を除いて、たいていの天候変化には対応できます。
(詳しくは「健康づくり環境療法グッズ」(66頁)を参照)
以上、
『温泉療養の手帖 第7版 健康づくりを楽しむ本』より引用
一人ひとりの体力増進・体調改善に合った「健康づくりの郷(さと)」を見つけよう!